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サーバーレスアーキテクチャについて教えてください
初心者
はる@講師
2023/11/21 09:19

サーバーレス(Serverless)アーキテクチャは、アプリケーションを開発・実行する際に、開発者がサーバーの管理を意識せずに済むようにするクラウドコンピューティングの実行モデルです。
サーバーレスという名前にもかかわらず、実際にはサーバーが存在しており、アプリケーションの実行には利用されていますが、サーバーの運用やインフラストラクチャの管理はクラウドプロバイダーが行ってくれます。

サーバーレスの特徴

  • イベント駆動: サーバーレスアプリケーションはイベントに応じて自動的にスケールアップ・ダウンします。たとえば、HTTPリクエストが来たとき、ファイルがアップロードされたときなど、特定のイベントがトリガーとなってコードが実行されます。
  • 自動スケーリング: アプリケーションに必要な計算リソースを自動的に割り当てたり、使用量に応じてスケールアップ・ダウンします。
  • 課金: 使用したリソースや実行時間に基づいて課金されます。コードが実行されていないときは料金が発生しません。
  • 運用管理の簡素化: サーバーのプロビジョニング、パッチ適用、スケーリングなどの運用管理をクラウドプロバイダーが担当します。

サーバーレスのメリット

  • コスト効率: 使用した分だけ課金されるため、余分なインフラストラクチャに対するコストが削減されます。
  • 開発の迅速化: サーバーのセットアップや管理に関わる作業がないため、開発者はアプリケーションのコードに集中できます。
  • 運用の簡略化: サーバーのメンテナンスやセキュリティ更新などの運用作業がクラウドプロバイダーによって自動的に行われるため、手間がかかりません。

サーバーレスのデメリット

  • コールドスタート: 一定期間使われていない関数は「コールドスタート」になり、初めて呼び出された際に遅延が発生することがあります。
  • ベンダーロックイン: 特定のクラウドプロバイダーのサービスに依存する形になるため、将来的に他のプロバイダーに移行する際に問題が生じる可能性があります。
  • デバッグとモニタリング: ローカル環境でのデバッグが難しい場合があり、クラウドプロバイダーのモニタリングツールに依存することになります。

サーバーレスアーキテクチャはAWS Lambda, Azure Functions, Google Cloud Functionsなどのクラウドプラットフォームで利用できます。
これらのサービスを利用することで、開発者はインフラストラクチャの管理から解放され、アプリケーション開発により集中できるようになります。

Vercelもサーバーレスアーキテクチャのプラットフォームの一つです。
Vercelは主にフロントエンドのプロジェクトに特化したプラットフォームであり、Next.jsの開発に特に適していますが、他のJavaScriptフレームワークや静的サイトのデプロイにも使用できます。

Vercelのサーバーレスの特徴:

  • 自動デプロイ: GitHub、GitLab、Bitbucketとの統合を通じて、ソースコードの変更がプッシュされるたびに自動的にデプロイされます。
  • スケーラブル: トラフィックの増減に合わせて自動的にスケールアップ・ダウンします。
  • セキュリティ: HTTPSを標準で使用し、セキュリティ設定がプリセットされています。
  • 最適化されたパフォーマンス: 自動的な画像最適化、スマートCDNキャッシングなど、フロントエンドパフォーマンスを向上させるための機能が組み込まれています。
  • サーバーレス関数: Next.jsのAPIルートなど、サーバーレス関数を使用してバックエンドロジックを実行できます。

 
Vercelは、サーバーレス関数を使ってAPIエンドポイントを提供することができるため、フロントエンドとバックエンドの両方でサーバーレスアプローチを取ることができます。これにより、開発者はインフラストラクチャの管理から解放され、アプリケーションのコードに集中できるようになります。また、Vercelは特にNext.jsのSSR(サーバーサイドレンダリング)やSSG(静的サイト生成)の機能を利用して、高速で最適化されたWebアプリケーションを構築するのに適しています。

回答 2件
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はる@講師
1年以上前

サーバーレスに向いている開発と向いていない開発を教えてください

はる@講師
1年以上前

サーバーレスアーキテクチャは特定の種類の開発には非常に適していますが、全てのケースにおいて最適なわけではありません。以下はサーバーレスに向いている開発と向いていない開発の例です。

サーバーレスに向いている開発:

  1. イベント駆動のアプリケーション: ユーザーからのリクエストやシステムイベントに応じてコードを実行するアプリケーションに適しています。

  2. マイクロサービスアーキテクチャ: 独立した小規模なサービスを開発し、それぞれを独立してデプロイ・管理したい場合に適しています。

  3. スケーラビリティが重要なアプリケーション: トラフィックが不規則で予測不可能なアプリケーション、または急激にスケールアップする必要がある場合に適しています。

  4. バッチ処理やデータ処理ジョブ: 定期的に実行されるデータ処理タスクやバックグラウンドでのバッチ処理に最適です。

  5. APIバックエンド: RESTful APIやGraphQL APIなど、フロントエンドアプリケーションにデータを提供するバックエンドシステムに適しています。

  6. スタートアップや中小企業: 初期投資を抑えつつ、必要に応じてリソースをスケールアップできるため、予算が限られている環境に適しています。

サーバーレスに向いていない開発:

  1. 長時間実行される処理: サーバーレス関数には実行時間の制限があります。長時間の処理には向いていません。

  2. 高度にカスタマイズされたサーバー環境が必要な場合: サーバーレスでは、サーバーの細かな設定や最適化が制限されている場合があります。

  3. 状態を持つアプリケーション: サーバーレス関数はステートレスであり、状態を維持するのが難しいです。

  4. リアルタイムシステム: ゲームサーバーやリアルタイムチャットなど、低遅延が必要なリアルタイムアプリケーションには適していません。

  5. 大規模なエンタープライズシステム: 企業の既存のシステムとの統合や、複雑なトランザクションを扱うシステムには不向きです。

  6. コスト予測が難しい場合: 使用量に応じた課金が行われるため、コストの予測が難しいことがあります。

サーバーレスアーキテクチャを選択する際は、開発の要件、コスト、パフォーマンス、管理の複雑さなど、多くの要因を総合的に考慮する必要があります。